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「馬鹿げている! そんな提案がまかり通ると思っているのか!?」
そう叫びながら立ち上がった男は、
目の前の机に両拳を叩き付けた。
厳粛な装いの大広間に鈍い音が一気に拡がり、
そして反響を繰り返し徐々に溶け込み馴染んでいく。
「まぁ、落ち着いて座りなよ神田さん」
神田と呼ばれた男は、
長方形の机の一番奥の上座に座り両手で頬杖を突く男になだめられ、
渋々と椅子に腰を下ろした。
豪華で繊細な装飾が施されているアンティークの椅子が、
小太りである神田の体の重さにミシミシと弱音を漏らした。
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