29人が本棚に入れています
本棚に追加
「除晃殿はよく茶屋に来るのですか?」
「拙者は司馬懿殿のお使いでよく来ますね」
「司馬懿殿は甘い物が好きなのですか!」
「そのようでござるが……言うと怒られますぞ」
「では、言わぬように気をつけます」
色々と話に花が咲いているうちに、注文した団子が運ばれ机の上に置かれた。
「…どう食べるんですか?」
「食べ方は簡単ですよ?串をもってそのまま食べればいいでござる」
除晃に言われた通りにパクりと食べる稀犁を見ながら除晃は、お茶を少し飲んだ。
「どうでござる?お口にあいますか?」
「んく………とても、美味しいです!今までに食べた事がありません!」
「それはよかったでござる♪拙者、安心致しました。」
ニコッと微笑みながら団子を食べる稀犁の口元に団子の粉がついているのに気付き彼に教えたが、なかなか取れずに困っている彼を見て……
「拙者がとりましょう…」
「除晃殿、平気ですよ?自分で…」
グイっと頬に手を添えられ除晃は、稀犁の口元についていた粉など無視して唇にキスをした。もちろん店の中で……店にいた人達は突然の出来事に驚いてざわざわしてしまっていた。一方の除晃はそのざわつきで自分がしている事に気付くと、急いでキスをやめて固まってしまった。
「…除晃殿……」
「すまない……つい……」
除晃が恐る恐る謝ると稀犁は真っ赤な顔で彼を見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!