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しばらく沈黙が続いた後待つのに耐え兼ねた朱雀のなく声がしたので、稀犁は様子を見に行くために店の外に行った。店を出ていった彼を見ながら除晃は小さく呟いた。
「…きっと、怒られているな……はぁ…」
一人店に残され落ち込む除晃を少し心配しながら朱雀に近寄り彼女の体に頭をつけて小さく話し出した。
「除晃殿は…冗談でしたのか……それとも……」
そんな主人に朱雀は、ヒヒンと鳴いてグイっと稀犁を押して励ますしぐさをした。
「……いつまでも、落ち込んでいられぬか……もう稀犁殿が男など関係ござらん!」
稀犁に告白することを決めた除晃はざわざわする店を出て、稀犁と朱雀の近くに行った。
「稀犁殿…お話がござる…」
「除晃殿……俺もあります…」
「稀犁殿も…稀犁殿からどうぞ?」
「はい……俺は……男に見えますか?」
「…へ?」
「見えてますよね…実は俺……女なんです…」
「女性でござったか…!?…って女性でござるか!?」
「女です…ですから…さっきの口付けは男同士でないので気にしないでください」
「稀犁殿……拙者……そなたが……好きだ……」
「えっ……除晃殿も……?」
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