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「っ…離さぬか!」
「??…どうした?」
「えぇい!…早くはなさぬか!」
怒っていた相手が急に嫌がりだしたので、疑問に思った元親は掴んでいた尻尾を擦るようにいじってみた。
「く…っ…なにをしている…!」
「もしかして……感じてんのか?」
元親はニヤニヤしながらさらに尻尾をいじった。
「っ……そのようなこと…くぅ」
「へぇ~……なら、触っても別にいいだろ?」
言い返す事が出来ず、ただ悔しそうにしながら睨み付けるのに気付いた元親は、口元を吊り上げながら意地悪に笑った。
「さすがの、狐さまも尻尾で感じちまうなんて笑えるな?」
「ふっ……やめぬか……っ感じてなど…ひ」
「少しは素直になりゃ楽なのによ…」
いまだに尻尾を弄りながら観察していると、官能が高まった元就は瞳に涙を溜めて元親を見つめていた。
「…何か言う事あんだろ?」
「……………………」
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