*純粋に好きです*(無双)

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除晃は手を握って立ち上がる稀犁に疑問を感じてしまった。男の割に引っ張られても全く重いと感じない。普通の男ならば自分も引っ張るため踏ん張るのにかなり力を入れるのだが、稀犁は踏んばらなくても軽々と立ち上がらせることが出来た。食事をしていないのか?などと考えていると顔面目掛けて稀犁がタオルを投げてきた。 「うぐ……稀犁殿」 「除晃殿が気付かないからです。俺は何度も聞きましたよ?」 「それは、拙者が悪いな……」 「でしょ?除晃殿は、俺といるときやたら考えすぎなんですよ。」 「!…拙者そんなに考えていましたか!?」 「俺といる時によく考え込んでますよ?ご自分でもわかりませんでしたか??」 タオルで汗を拭きながら不思議そうに首を傾げる稀犁に、彼は全く気付いていなかった。自分がただただ情けなくて、タオルを持ったまま固まってしまった。 「除晃殿?…汗を拭かなくては、風邪を引きますよ?…除晃殿~??」 「!…何でござる」 「また考え事ですか?考え事は後にしないと風邪を引きますよ」 「では……ちょっと……」 除晃は顔が赤くなるのを隠しながら着替えに戻った。残された稀犁はポカンとして彼を見送った。
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