91人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと、あ?」
変に取り乱す先輩。それがまた、いたく私を切りつける。
「アホですか」
私は痛みを無視して、先輩から少し離れた。
「真に受けないでください」
先輩は「ごめん」と言った。何よごめんって。私の胸は、これ以上つつくと確実に破裂する。
「ありがとうございました、」
私は手をひらひらさせて、校門へと走った。逃げるように、必死に走った。
「あ」
呆然と立ちすくむ先輩は、マヌケに見えた。
もうやだ、もうやだ、こんな自分。なぜあの言葉が口から出たの……先輩のあんな顔、全然面白くないんだから。
最初のコメントを投稿しよう!