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結局一日中、その気持ちは張り付いて離れなかった。先輩がいないとつまらない。悔しい。先輩は私のことを知らないのに、私はこんなに先輩に影響されている。とてもとても、悔しい。
携帯を開いて閉じる。アドレスも知らない人から連絡なんてくるはずもないのに……。
「あ」
校門を出ようとすると、バスが入ってきた。
サッカー部だ。
バスのドアが開き、ぞろぞろと人が出てくる。
――いた。
笑ってない先輩がいた。つかれている先輩がいた。
「「ありがとうございました」」
サッカー部は、バスの運転手さんにお礼を言うと、さっさと部室に引き上げていった。先輩とマネージャーのような女の子を残して。
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