わたしのカエル

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「保健室行くかぁ」  先輩は急にお調子者になった。なんだその変わり身の早さは。 「保健室はそこ入って右曲がって右ね」 「知っています」  私はもらった絆創膏をペリっとはがした。 「悪いところは頭くらいですから気にせずに」  どうしてかわいくない私。よよよと倒れこむチャンスが。第一印象最悪だな。  私はカバンから鏡を出すと、少し血の出たおでこにつけようとした。 「ストップ」  ドキリ。  腕が掴まれる。 「水で洗ってから絆創膏はつけるっ」 「はい」  顔がカッカッと熱くなるのを感じた。なんだこれは。 「水道はまっすぐ行って左ね」 「知って、います」  恥ずかしい。なんだかとてつもなく恥ずかしい。腕を振り切りたいけど、力が入らない。逃げれない、逃げたくない? 「さ、洗うよ」  先輩は私を引っ張る。胸が熱い、全身が熱い。ドキドキが、破裂しそうだ。  私は下を向いた。自分を、鼓動を落ち着かせるために。
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