1360人が本棚に入れています
本棚に追加
/983ページ
俺の名前は小林匠。
今年35歳になる。
東京のとある私立高校の教師をやっている。
昔、まだ言葉も喋る事ができない頃に、俺は捨てられていたらしい。
親の顔も覚えていない
何月に生まれたのかも分からない
ただ分かっていたのは「匠」という名前と捨てられたという事実。
捨てられた場所が教会の前で、そのまま孤児院で育った。
小学校に上がると、いじめが起きた。
「親なし」
それだけで虐められた。
俺は好きで捨てられた訳じゃない。
「おかま」
誰がオカマだ殺すぞガキが。
まぁ、見た目もナヨナヨしていたし…運動が嫌いだったから肌も白いまま…
本ばかり読んで眼も悪くなり、早くに眼鏡をかけるようになっていた。
何より、人と話すのが苦手で…いつも俯いていたし、前髪も長かった。
世間で言う、陰キャラだ。
いじめの対象になりやすい。
最初のコメントを投稿しよう!