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プラットホーム
ジリリリリリリリリ
駅に電車の入ってきたことを知らせるベル
二人の最後を告げるベルが鳴り響く
プシュー
と鳴いて電車の扉が開き、私は電車に乗り込んだ。
一歩分離れただけなのに、二人の距離が何万歩分も遠ざかる。
二人の最後の時間。
最後にしないために
私は言う。
伝えたかった言葉
伝えるべき言葉
『ねぇ…私の好きな曲でね、二人の男女が離れ離れになる曲があるの。そして別れ際に男女は再会を約束するんだ』
裕太は黙って聞いている
『その曲じゃ最後に再会出来たかわからないんだけどね。…私は再会出来たって信じてる…。』
私はは小さく歌い出した
昔聞いた、再会の唄
二人だけの、約束の唄
『《ー約束だよ。必ず、いつの日か、また会おうー》』
涙が溢れ出す。
止まらない涙を悟られたくなくて裕太に背を向けたまま必死で普通の声を出す。
『約束。絶対、いつかまた会おう…?何年かかってもいい。いつか…きっとまた会おうね。』
『…ゆーちゃん。』
裕太は
黙ったままだった。
結局、ドアが閉まるまで、私は裕太とは顔を合わせられないままだった
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