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「会長ー。そろそろ美月に自己紹介してあげて下さいよ~」
「あ、そうだったね。僕は宇佐見卯月。3年だよ。生徒会長やってまーす。あだ名は兎~」
会長は、朝日のだらけたような声でわたしに向き直り、砕けた口調で、にこやかに自己紹介してくれた。
……葉月さんを抱き締めたまま。
「私は相沢葉月です。3年生で、生徒会書記をやってます」
抵抗を諦めたのか、少し頬を赤くしながら、葉月さんも自己紹介をしてくれた。
「俺は栗原皐月。1年。生徒会会計」
「きゃあっ!?」
ドア付近に立っているわたしの背後からいきなり声が聞こえてきて。
驚いて振り向くと、ペコっと小さく頭を下げて、たった今、自己紹介をしてくれた皐月くんが入室した。
「あたしは相沢文月っ♪1年生で生徒会会計!!ちなみに、葉月姉とは姉妹だよ~」
皐月くんの隣にいた文月ちゃんも、満面に笑顔を浮かべて自己紹介をしてくれた後、続くように入室した。
「え、っと…如月美月です。よろしくお願いします…」
「うん、よろしくね。じゃ、そういうわけで、副会長達仕事よろしく!」
「どんなわけ!?てか仕事押し付けないで下さいよ!!」
「気にするな副会長。頑張れ」
「お前は先輩に敬語を使え!!」
「俺は自分より弱い奴に敬語は使わない。会長、葉月姉さん嫌がってますよ」
「会長に敬語使うなら俺にも使えよ!?」
次々とツッコミを入れていく朝日。
(凄いとしか言いようがないノリだわ…)
「朝日、葉月姉さんって?」
「ん、あぁ…、皐月は文月と付き合ってんだよ」
「成程…楽しそうだね、この生徒会」
「え、そうか!?」
「副会長、仕事してよ」
「会長もして下さいよ!!」
生徒会室に、朝日の絶叫が虚しく響いた。
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