出会い

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朝日side 「んじゃ。俺、先に行くな!!」 「おう」 兄貴に見送られながら、スポーツバックを朝から物置で探しまくった二人用のチャリ(自転車)のカゴに入れる。 と、少し遅れて家の中から弟の太陽が出てきた。 「朝日兄!!はい、食パン」 「お、サンキュ~」 受け取った食パンを口にくわえると、俺は上機嫌で美月の家に向かった。 ピンポーン… 実は、俺の家と美月の家は隣同士でだったりする。 (迎えに行くのにかなり楽な距離なんだよなぁ~) チャイムを押して、4分の1くらい残っていた食パンを口に放り込んだ時、ドアが開いた。 「あら。美月のお友達?」 そこからひょいと、大学生くらいのお姉さんが顔を出した。 後ろには、中学生くらいの女の子もいる。 「……っ、同じクラスの望月朝日です!美月さんを迎えに来ました!!」 何とかパンを呑み込んでから、挨拶をする。 (ちょっと危なかった…) 「あら~。元気いっぱいね~♪」 俺が内心で冷や汗をかいていると、その後ろから優しそうなお母さんが出てきた。 「でもごめんなさいねぇ。美月ったら、まだ支度終わってないのよ~」 困ったような表情で、美月のお母さんは家の中を振り返る。 「てことは、支度はしてるんスよね?」 「えぇ。あの子が星見学園の制服を着ているの、久しぶりに見たわ~」 「マジっすか?俺も見るの久々で…」 ガチャ 美月のお母さんの言葉で少しはしゃいだ俺は、言葉を途中で切った。 ドアの奥から、長い髪をポニーテイルにした美月が、出てきたから。 (…一瞬、見惚れちまった…) 「…あっ、お、おはよ、美月!!」 「…お、おはよう」 我に返って、顔が赤くなってないか心配しながら挨拶する俺に、美月は少し赤くなりながら返してくれる。 …つまり、俺も顔が赤くなっているんだろう。 「二人とも、行ってらっしゃい」 「行ってきます!!」 「…行ってきます」 美月のお母さんに見送られながら、俺は二人用のチャリの後ろに美月を乗せて、学校に向かった。
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