55人が本棚に入れています
本棚に追加
──そして、『南瓜祭』当日
「わぁ~」
「美味しそうですねぇ」
「みんなで制覇しようぜ!!」
「わたしは半分くらいで良いわ…」
「麻衣っち、呆れたふりしてそんなに食べるんだ!?」
生徒会の女子達は、目の前の南瓜のデザートに目を輝かせていた。
「ほらほら、皐月くん!!文月ちゃんに付き合ってあげなよ~」
「いや…もう俺はいいです…」
「情けねぇなぁ、皐月。身体だけじゃなく、胃も鍛えろよ~」
「彼女とのデザート巡りくらい、付き合ってあげたらどうです?」
「…先輩方は、俺に胃もたれしろと言うんですね…」
男性陣ばあの゙皐月くんで遊んでいる。
(皐月くんて、甘い物が苦手なのね……まぁ、そのままって感じだけど)
「いや~相変わらず騒がしいな」
皐月くんを見て苦笑しているわたしの隣では、朝日がみんなの様子を笑顔で見守っている。
「朝日は?今日大人しいよね」
「なっ!?失礼だな!!」
「あはは、ごめん、ごめん」
会場の端っこで、楽しく会話をしているわたし達。
ふと会場に視線を戻すと、見覚えのある人影が5人、近づいて来た。
「あらあら、楽しそうね~」
「お姉ちゃんに詩月にお母さん!?何で!?」
「兄貴と太陽までどうしたんだよ!?」
「俺たちが出ちゃ悪いのかよ」
わたし達が驚きの声をあげると、間髪を入れずに日向さんが不機嫌そうに眉間に皺を寄せる。
(怖い……)
わたしは、引きつった笑顔を残して、サッと朝日の後ろに隠れた。
最初のコメントを投稿しよう!