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2時間ほど経った頃。
死神の軽自動車は、無事に溝から脱出し、その近くで走一と健二はゼェゼェ息を吐きながら座り込んでいた。
「……やる」
死神は近くの自販機から、缶コーヒーを3本買って来ると、2本を走一と健二に投げ渡した。
「おーサンキュ。 ありがてぇ」
健二は素直に礼を言うと、缶コーヒーのプルタブを開けてゴクゴクと飲み始めた。
「死神さん、ありがとう。 ところでちょっと訊きたいんだけどさ、どうしてこんな無茶なバトルを仕掛けたの?」
走一は死神に訊いた。
「走り屋になりたかったんだ」
死神はポツリポツリと話し始める。
「自分で車を買って、自分でチューニングして、腕を磨いた。 だけど、周りの皆は女の子なんだから無理だ、所詮女の子だからって言って全く相手にしてくれなかったんだ」
「だから、こんなバトルをするようになったの?」
走一は死神に尋ねる。
死神は黙って頷いた。
死神さん ↓
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