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「なぁなぁ、知ってるか? 友達の友達から聞いた話なんだけどな」
都市伝説。
それは、
『友達の友達から聞いた』というくだりで始まる、根拠の無い噂話である。
しかし、都市伝説は本当にただの噂話なのだろうか?
ひょっとしたら中には、真実の話も含まれているのかもしれない。
-兵庫県神戸市某所-
「再度山に、死神が現れるぅ?」
相良 走一(さがら そういち)は、困惑した表情で言った。
「本当だって! 今、走り屋の間で噂になってるんだぜ?」
流 健二(ながれ けんじ)は必死で走一に言う。
「おいおい、健二。 いくらなんでもそれは誰かが流した嘘だって」
走一は鼻でフッと笑い、やれやれと肩をすくませると、
「噂話も程々にしろよ」
と健二に呟いた。
「待て、走一!」
健二は走一の肩を後ろからガシッと掴むと、妙にニコニコ笑顔で、
「それじゃあ、噂が本当かどうか、確かめに行かないか?」
と言った。
「はぁ? 何で俺がわざわざそんな事……」
走一は渋い顔をしていた。
「2月22日、夜10時に再度山な」
健二は迫力満点な顔で走一に言い放った。
とても断れる雰囲気ではなかった。
「あ、おい!」
呼びかけてみるが、健二の姿は既になかった。
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