岩谷峠の耳なし芳一

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俺の名前は相良 走一。 自称、走り屋である。 走り屋仲間の健二と共に、よく車で鬼ごっことか鬼ごっことか鬼ごっことかしている。 「捕まえてごらんなさ~い♪」「アハハ、待て待て★」 なんて浜辺でバカップルごっこをしている訳ではない。 分かりやすく言うと思春期していた。 思春期と呼ぶにはちと遅い22歳だが。 そんなある日、伝説好きの健二がまた変な噂を耳にした。 「岩谷峠に耳なし芳一が出没するらしい」……と。 伝説好きの健二は真相を確かめないと気が済まない性格らしい。 俺はやれやれと肩をすくませると、運転手席に乗り込んだ。
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