神山家

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『・・・次は終点、荒髪~、荒髪』 電車のアナウンスで直哉は暗い盲従から、現実に引き戻された。 『16時05分』 直哉は時計を確認した、時間があっという間に過ぎた事に驚く。窓の外は雲が空を覆って暗くなって、今にも雨が降りだしそうだ。 「雨か・・・、傘は持ってきてたよな。」 バックを開けると紺色の折り畳み傘を確認すると、一息ついた。 電車の乗客を見回すと若い女が乗っているだけで、閑散としている。 女は壁に寄りかかり窓から外を眺めていた。 『終点・・・、荒髪・・・、荒髪』 電車が荒髪に着き、緩やかに停車する。 直哉が電車から降りると、待ち構えていたかのように雨が降り始めた。 改札口を抜け外に出ると、そこにはシャッターが殆んど閉まっている、名ばかりの町のが広がっている。 「・・・ここって町じゃないのかよ?」 辺りを見回しても誰もいない、 「しょうがないな・・・戻るか。」 通行人に神山の場所を聞くつもりだった直哉は通行人の探すのを諦め、仕方なく駅員に聞こうと改札口に戻る。 そこには若い女が駅員と話していた。
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