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父の死因は首を吊った事による、自殺。
遺書も見つかり、警察は簡単な調書を取って帰っていった。
内容は母と直哉に対する謝罪の言葉で綴られて、最後の文章には父から『母さんを頼む。』と結ばれていた。
父がどんな思いで、遺書を書いたかと思うと、直哉は今でも息ができなくなる。
葬式も終わり、呆然としていると、家に借金取りがやって来て500万の借用書を叩きつけられた。
父は保証人になっていた、名前を見ると直哉も知っている名前だ『松山 和樹 (マツヤマ カズキ)』
父の親友の名前が何故か契約者に書いてある。
松山は少し頼りなさげな髪の薄い中年の男で、高山家に良く遊びに来ていた。
松山に連絡を取るため電話をするが、電話からは『現在使われておりません』と繰り返す。
「無理ですよ。松山は逃げよったんですから!」
おろおろしている母に借金取りの男は冷たく言い放つ。
「うちらも散々探しよったんですけど・・・ね!見つからんとですよ!」
下から除き見るように母を威嚇する。
「まぁ、都合の良いことに保証人が亡くなたんで・・・、保険金でるんやろ!・・・返せや!」
借金取りの男は手は出さない。
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