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小首を愛らしく傾げて、ユメカは見詰めてくる。
まるで、私の心を照らす光のように。
「ああ。よく、二人で出掛けたりしているよ」
この前も、海へ行った。私が彩加に、プロポーズした場所だった。
彩加が言うには、そこが高級料理店だったら、躊躇(タメラ)ったかも知れない、だそうだ。その性格を知っていたからこそ、私はそこを選んだのだった。
それから、子供が出来たと分かった日、病院の帰りに寄ったりもした。私にとって、最も思い出深い場所だ。
ああ、そうだ。週末には彩加と出掛けようとしていたのだ。
そして今、私はすこぶる彼女の機嫌を損ねてしまっている。あんなに激しい口論は久しぶりだった。だが、それでも、また二人であそこへ出掛ければ、いつもの私達へ戻れるだろう。
ふと、突然チクリと胸が痛んだ気がした。
「仲、いいんだ……」
突然、ユメカの声のトーンが落ちた。
この娘は一体何者なのだろうか。
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