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世界は、常に一定のパターンで回っていた。
「おいおいおい、…シャレになんねぇぞ?」
広大な草地で離れて睨み合う軍隊。太陽の光できらめく鎧と青空に映える軍旗。
「奴等を根絶やしにしてやれぃ!!」
勇ましい掛け声の後に続くときの声。
互いに突撃と叫び、もうもうと砂埃を立てながら距離を縮め、剣を振りかざす。
間には、俺。
夢だ、と頬をつねる。……痛い。
兵士の怒鳴り声も、目や喉が砂埃で痛むのも、足がすくんで動けないのも、確かに感じる事で。
目が死んでいると、言われた事があった。
消えてなくなりそうだと、言われた事もある。
無気力に生きてきたのに。
勢いよく、握っていた剣を構える。
「……っ!」
こんな所で死んでたまるか。
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