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「待ちやがれこの誘拐犯っ!!」
街中に声が木霊する。声の主はヨシュアだ。
誘拐犯について調査を始めたヨシュアだったが、やはりなかなか良い情報が入らない。
街の人に聞いてわかったことは、被害者はわかっているだけで15人にものぼるのに、街の警備兵は全く動いていないという。
そこで、ヨシュアはまず街の警備をすることにした。
真っ昼間から誘拐をする馬鹿もいないだろうと判断し、巡回時間は夕方から深夜にかけて。
街中を一人で見て回ることはできないので、被害が多発している海沿いの地域を。
そこは彼が幼い頃遊び場にしていた地域だったため、地の利はこちらにある。
しかし、物事はそう簡単には進まない。
三日三晩街中を歩き回ったが、誘拐なんて起こらない。
そろそろ諦めて旅を再開しようかな…なんて考えながら歩いていた四日目の夜。
「…俺もう飽きたな~」
独り言を呟きながら裏路地に入ろうとした時…
「きゃぁぁぁぁっ!」
「!?」
女性の悲鳴が聞こえたのだった。
(きたきたぁっ!!)
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