第1章 英雄希望②

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「待ちやがれこの誘拐犯っ!!」   街中に声が木霊する。声の主はヨシュアだ。   誘拐犯について調査を始めたヨシュアだったが、やはりなかなか良い情報が入らない。   街の人に聞いてわかったことは、被害者はわかっているだけで15人にものぼるのに、街の警備兵は全く動いていないという。   そこで、ヨシュアはまず街の警備をすることにした。   真っ昼間から誘拐をする馬鹿もいないだろうと判断し、巡回時間は夕方から深夜にかけて。   街中を一人で見て回ることはできないので、被害が多発している海沿いの地域を。   そこは彼が幼い頃遊び場にしていた地域だったため、地の利はこちらにある。   しかし、物事はそう簡単には進まない。   三日三晩街中を歩き回ったが、誘拐なんて起こらない。   そろそろ諦めて旅を再開しようかな…なんて考えながら歩いていた四日目の夜。   「…俺もう飽きたな~」   独り言を呟きながら裏路地に入ろうとした時…   「きゃぁぁぁぁっ!」 「!?」   女性の悲鳴が聞こえたのだった。   (きたきたぁっ!!)
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