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慌てて駆け付けてみると、気絶した女性を担いで逃げようとする、誰が見てもかなり怪しい影が一つ。
ここぞとばかりにヨシュアは地を蹴った。
そして、冒頭の叫びに至る。
誘拐犯は女性を一人担いでいるとは思えないくらい足が速かった。
ヨシュアだって走るのが遅いわけではないが、なかなか追い付けない。
走りながら、ヨシュアは焦り始めた。
この先は港だ。
もし誘拐犯が組織で、船で逃げられでもしたら追うことができなくなってしまう。
「待てって言ってるだろー!!」
そう言って待ってくれる犯罪者がいたら是非会ってみたいものだ。
逃避行は続き、大通りへ出た。
ヨシュアはそこで、何かとおもいっきり正面衝突をして、ふっとんだ。
「うわっ!!」
「きゃぁっ!!」
二つの悲鳴が同時に響く。
「いって~…おい、何処を見て……ってこら!!」
ヨシュアにぶつかった相手は、彼に目もくれず、何故か誘拐犯を追いかけている。
「人にぶつかっておいて無視かよ!」
「うるさい、黙れ」
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