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「さぁっ、いよいよ実食です!だれが、優勝するのか!?期待が高まりますっ!」
蒼大くん、ノリノリな司会だな…。
ベロリッチ伯爵、目の前に並べられた3つの皿を見つめております。
「…………」
ペコリと軽く会釈し、伯爵がスプーンを持ち、手に取った皿は……。
あ、やっぱり架那のかぁ。まぁ…あたしでも、あれを選ぶけど。
「…………」
伯爵は頷きながら、架那の作ったオムライスをゆっくりと味わって食べている。
そう、ゆっくり…。
「………」
5分経過。
「…………」
15分経過。
「……………」
30分経過。
って!
ゆっくり過ぎるわーっ!!
「ベロリッチ伯爵…他のも食べて下さ…、…え?」
「…………」
蒼大くんに耳打ちする伯爵。
「……ふむふむ……『おなか、いっぱい』?…『まことに美味であった。ごちそうさま』…だって。」
な、何ーーーっ!?
……料理バトル、終了。
ベロリッチ伯爵は、部屋で食後のお昼寝。
あたしたちは、裏庭で後片付けをしていた。
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