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裏庭のベンチに座る夕羅の膝の上。
はた目には、ふりふりピンクなメイド姿なあたしが、ご主人サマにご奉仕してる…ように見えなくもない。
「ぅあ~…めちゃくちゃ美味しい」
「…も…もういい?誰かに見られたらヤダ…」
などと言ってるそばから、じ~~っと視線が……。
「……それは、この宿のサービスかな?」
べ、ベロリッチ伯爵?!お昼寝はどうした!
「ち!違う違う!誤解で…っ!」
慌てふためいてると、おっさんは鼻の下を伸ばし、脂ギッシュな手であたしの手を握る。
「ワシにもお嬢ちゃんの『あ~ん』サービスして欲しいなぁ…いや、是非しておくれ!是非に!!」
ピキ。
「…っくぉの、エロリッチ野郎が~~~っ!!遠い空へと、ぶっ飛ばしてやる~~~っっ!!!」
ぎゃーーーっ!夕羅がキレたぁぁ!!(あんた自分は棚に上げて、他人をエロって…。)
ズドゴガボーーーーーン☆!!!
ひゅーん……(遠い空へと、ぶっ飛んだ音。)
…………後日。
あのおっさんは、ベロリッチ伯爵の名を語り、無銭飲食を繰り返してた事実がわかった。
今は妖魔人の里の地下牢に、入れられてるらしい…。
「……こうなったらぁ。『ステキ★メイド人の館』に改名しようかしらぁ?」
架那の提案に、一同は声を揃えた。
『却下!!!』
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