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というワケで、色とりどりのリボンを用意して、彼らにつける事となった。
……が。
「キシャー!」
「こ、怖いよ、このコウモリ!」
フリルの付いた白いリボンをつけようとしたが、ものすごい形相で威嚇してくる。
「駄目よぉ!タロキチはリーダーって言ったでしょぉ!リーダーは赤よ、赤!」
「何それ??…いや、それ以前に、架那がつけてあげなよ!あたしだと暴れるしっ」
「キシャーっ!」
「ふんふん…。タロキチったら、『是非とも、綺流兎さんがつけて下され』って言ってるわよぉ」
吸血族の架那は、コウモリの言葉がわかるのだ!すごいぞ!
「キシャーっっ!!」
「ふんふん…。『拙者は顔がゴツい故、どうしたものかと長年思いあぐねておりましたので、丁度よき事でござる』……だって」
「完っ全に嘘でしょ!!」
そんな長い台詞なワケないだろ!しかも『拙者』ってどこの言葉!?
「まぁ…、雰囲気でわかるっていうかぁー」
「……あぁ、もう!…つけますよ。赤色のリボン、つければいいんでしょっ?」
「ヨシャーーっ!!」
あん?
今の鳴き声、聞き違いか?
「…今のは何て言ったの」
「えぇっとぉ…『よっしゃーーっ!!』って。」
「それだけ、まんまかよっ!」
その後、コウモリにリボンをつける作業は丸1日かかったという。
そして、あんまりオチの無い、グダグダ感が綺流兎の心に残ったという……。
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