☆教育方針の違い☆

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 ーーそこは、妖魔人(ヨウマビト)(やかた)(ない)の一室で、ちょっとした書庫になってる小部屋だった。  近頃、読書にハマってるという架那の情報通りで…。 「………いた。」  蒼大くんは窓際を背にして座り、熟睡してた。  膝の上には、本が乗っている。 「…………」  愛らしい寝顔に、しばし言葉を失う。  こっちまで幸せな気分になるなぁ…。  あたしと共に蒼大くんを(のぞ)き込んでた彼も、同じふうに思ったのか、少し黙っていたが。 「……このままじゃ風邪引くな。…綺流兎ちゃん、その本持って」 「あ、うん…」  小声で話しながら、起こさないように、そっと蒼大くんを抱きかかえる夕羅。  こうして見ると、父親(かなり若すぎるけど)みたいだ。…並んで歩いてるあたしも、ほんのちょっと母親みたいな気分。  蒼大くんを部屋まで運びながら、少し照れくさい妄想をしてたあたしに、夕羅が言った。 「…蒼大のやつ、何の本読んでたんだ?」 「あっ、持ってきちゃっ……」  こっ!これは…!!!  …妖々(ヨウヨウ)出版社『激ラヴ!来い☆濃い☆恋占い大百科・第31巻~キミの乙女なハートにピリ辛マヨネーズで火をつけて~』定価3240円… 「…………。」 「…………。」  その()。  夕羅と意見が一致した結果、館内の怪しげな本たちは撤去されましたとさ☆
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