☆ツンデレツン道中記☆

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 ……少し風の強い日。  妖魔人の里から南西の国境付近。草木しか無い所だった。  私は同じ妖魔人の手により、人間に売られそうになっていた。  …どうでもいい。  どこへ連れて行かれても、今までと同じ。  同じ日々を、繰り返す。 『無表情な女だな、使い物になるのか?』 『さぁ…、試してみればいんじゃない?』  …人間の男たちの顔など覚えていない。ただ、私を奴らに引き渡す役割の妖魔人は、若い青年だったと思う。 『ぁぐ……っ!』  バシンと(ほお)を殴られ、地面へ倒れ込む。  (くち)(はし)から、血が流れた。 『へへっ、ちゃんと妖魔人って、赤い血なんだな』 『他の部分も人間と同じか、確かめようぜ』 『………』  …どうだっていい……、どうだって……。
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