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本日も妖魔人の里は平和である。
「ロク様、ちょっとよろしいですか?」
「何でしょうか、是枝さんに水鳥さん」
彼らは白庵医師の弟子。普段はそれぞれ、各地の妖魔人の往診をしているが、今は城に滞在中である。
ちなみに、
是枝さん→丸眼鏡。七三分けで白衣。神経質な男性。
水鳥さん→ひっつめ髪で白衣。夕羅様ファンな女性。
である。
「不穏な噂を耳にしたのですわ、…変質者の噂を」
へっ、変質者ですと?!
王である夕羅様の留守を預かる身として、それは聞き捨てならない問題だ!
「詳しくお聞かせ下さい!」
ここ最近の事。
明け方に、怪しげな叫び声が聴こえるという。
そのせいで妖魔人の何人かは、朝早く目が覚めて迷惑な上に気味が悪い…という苦情。
「しかし里にそんな者が居たら、すぐわかりそうですが…」
私が首を傾げると、是枝さんが提案した。
「その声を聴いた人たちを、集めてみてはいかがですか」
水鳥さんが賛同した。
「あら、珍しく是枝と意見が合いましたわね。私も良いと思いますわ」
こうして、『里の平和を守るぞ探偵団』が結成された。
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