☆ボク、六左衛門です。☆

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 本日も妖魔人(ヨウマビト)の里は平和である。 「ロク様、ちょっとよろしいですか?」 「(なん)でしょうか、是枝(コレエダ)さんに水鳥(ミドリ)さん」  彼らは白庵(ハクアン)医師の弟子。普段はそれぞれ、各地の妖魔人の往診をしているが、今は城に滞在中である。  ちなみに、  是枝さん→丸眼鏡。七三分けで白衣。神経質な男性。  水鳥さん→ひっつめ髪で白衣。夕羅(ユラ)様ファンな女性。  である。 「不穏な噂を耳にしたのですわ、…変質者の噂を」  へっ、変質者ですと?!  王である夕羅様の留守を預かる身として、それは聞き捨てならない問題だ! 「詳しくお聞かせ下さい!」  ここ最近の事。  明け方に、怪しげな叫び声が聴こえるという。  そのせいで妖魔人の何人(なんにん)かは、朝早く目が覚めて迷惑な上に気味が悪い…という苦情。 「しかし里にそんな者が居たら、すぐわかりそうですが…」  私が首を(かし)げると、是枝さんが提案した。 「その声を聴いた人たちを、集めてみてはいかがですか」  水鳥さんが賛同した。 「あら、珍しく是枝と意見が合いましたわね。私も()いと思いますわ」  こうして、『里の平和を守るぞ探偵団』が結成された。
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