☆続・ツンデレツン道中記☆

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「…火鷹様、旅に必要な物はたくさんあります。お金が無いより、あった方が()いと思いませんか」 「それはそうだが……一体どうやって稼ぐつもりだ?」 「そうですね…民家を襲って略奪なんてどうですか」 「略…っ?」 「……その民家には、人間の若い夫婦と幼い子供たち三人、合わせて五人家族が仲良く暮らしておりました」 「……(は?)」 「その一家(いっか)は、超がつく(ほど)のド貧乏でしたが、夫婦にはある夢がありました」 「……(霧風?)」 「夫婦の夢…それは…」 「……(そ、それは?)」 「子供たちに、イチゴのショートケーキをお腹いっぱい食べさせてあげたい…そんな、ささやかな夢でした」 「……(ケーキ??)」 「夫婦は死にもの狂いで働きに働いて…ある日やっと、ケーキを買うことができました」 「……(やっとか…)」 「けれど、イチゴが高価だった為、ケーキの上にはひと粒しか乗っていません」 「……(ひと粒…)」 「家族で悩んだ末、一番下の子供に、イチゴをあげる事にしました」 「……(妥当(だとう)だろうな)」
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