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「…火鷹様、旅に必要な物はたくさんあります。お金が無いより、あった方が良いと思いませんか」
「それはそうだが……一体どうやって稼ぐつもりだ?」
「そうですね…民家を襲って略奪なんてどうですか」
「略…っ?」
「……その民家には、人間の若い夫婦と幼い子供たち三人、合わせて五人家族が仲良く暮らしておりました」
「……(は?)」
「その一家は、超がつく程のド貧乏でしたが、夫婦にはある夢がありました」
「……(霧風?)」
「夫婦の夢…それは…」
「……(そ、それは?)」
「子供たちに、イチゴのショートケーキをお腹いっぱい食べさせてあげたい…そんな、ささやかな夢でした」
「……(ケーキ??)」
「夫婦は死にもの狂いで働きに働いて…ある日やっと、ケーキを買うことができました」
「……(やっとか…)」
「けれど、イチゴが高価だった為、ケーキの上にはひと粒しか乗っていません」
「……(ひと粒…)」
「家族で悩んだ末、一番下の子供に、イチゴをあげる事にしました」
「……(妥当だろうな)」
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