☆ツンデレツン道中記☆

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『…さっきから、うるさいな。』  突然の声に驚き、見上げると木の上に人がいた。  …彼の左手に、ポゥッと青白い火の玉が浮いている。  目付きの悪い男……おそらく、妖魔人。 『だ、誰だ、お前っ!?』 『火鷹・ヒュプノス…と名乗ったところで、人間などには無意味だな。』  ヒュプノス家……狐火(キツネビ)族の血統が濃い一族だ。  私も一応は狐火族だと思うが、少し変身できる程度…炎を出すなんて力はない。 『たまに遠出してみれば、ろくでもない連中ばかりだな。腐りきったゴミ(ども)め』 『(なん)だと!?この野郎…』  ゴァ…ッ!  炎が、踊る。  辺りの草木が、一瞬で灰になった。  驚愕(きょうがく)する人間たちに炎をちらつかせ、彼は言った。 『今みたいに秒殺されるのがいいか、ジワジワと焼かれるのがいいか、…どちらか選べ』  その言葉で、男たちは震え上がったようだ。 『ばっ…化け物だ…!!』 『う…うわあぁあ!!に、逃げろっっ!!』  蜘蛛(くも)の子を散らすように、彼らは逃げていく。  …いつの間にか、仲介役の妖魔人の青年もいなくなっていた。 『……生きたいのなら、抵抗くらいしろ。』  立ち尽くす私にボソリと(つぶや)き、彼は去っていった。
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