☆グルメでアレなお客様☆

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「第1回★お料理バトル大会ぃ~~~♪」 「と、突然何事(なにごと)架那(カナ)…」  戸惑(とまど)うあたし。 「よーするに、料理を作って出来上がりを競い合うの?」  冷静な蒼大(ソウタ)くん。 「……しょっぱなから、2回目は無い予感が…」  渋い顔の夕羅(ユラ)。  お昼ちょっと前。  いつの間にか、裏庭に特設キッチンが設置されていた。 「やるのは構わないけど、どうしていきなり?」  ピンクのふりふり服に、ふりふりエプロンを着せられたあたし。架那は、少し興奮気味だ。 「今日来た宿泊客のおじさんねぇ…、なんと、あのベロリッチ伯爵(はくしゃく)らしいのよぉ!」  べろ?…舌がリッチな感じか? 「誰、それ。べろがリッチなのか?あはは」  う…、夕羅と同じ発想をしてしまった。 「ボク知ってる。くいしんぼうな、おじさんだよねー」 「美食家とかグルメと呼びなさいよぉ」  ベロリッチ伯爵。…どうやら、妖魔人(ヨウマビト)界では名が通ってるっぽいぞ。 「で、そのおっさんが(なに)?」  夕羅の質問に、架那はニヤリとして。 「あの人に認められたら、うちの宿は安泰(あんたい)でしょぉ!」
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