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「第1回★お料理バトル大会ぃ~~~♪」
「と、突然何事?架那…」
戸惑うあたし。
「よーするに、料理を作って出来上がりを競い合うの?」
冷静な蒼大くん。
「……しょっぱなから、2回目は無い予感が…」
渋い顔の夕羅。
お昼ちょっと前。
いつの間にか、裏庭に特設キッチンが設置されていた。
「やるのは構わないけど、どうしていきなり?」
ピンクのふりふり服に、ふりふりエプロンを着せられたあたし。架那は、少し興奮気味だ。
「今日来た宿泊客のおじさんねぇ…、なんと、あのベロリッチ伯爵らしいのよぉ!」
べろ?…舌がリッチな感じか?
「誰、それ。べろがリッチなのか?あはは」
う…、夕羅と同じ発想をしてしまった。
「ボク知ってる。くいしんぼうな、おじさんだよねー」
「美食家とかグルメと呼びなさいよぉ」
ベロリッチ伯爵。…どうやら、妖魔人界では名が通ってるっぽいぞ。
「で、そのおっさんが何?」
夕羅の質問に、架那はニヤリとして。
「あの人に認められたら、うちの宿は安泰でしょぉ!」
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