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普通に架那が、食事作って出せばいいのに…。
そんなあたしの考えを読み取ったらしい。
「伯爵は、変わり者って有名なの。インパクトある事しないとねぇ!」
だからって、料理バトル?
「お願いよぉ、みんな協力して…!」
あたしと夕羅と蒼大くんは、顔を見合わす。
「…………」
居候の身で断われるワケない。いや…何より、架那の力になりたい。
「よ~し、やるか」
「うん!」
「がんばろーねっ!」
つーコトで。
料理バトル大会、開始。テーマは『オムライス』だーっ!!
審査員席に、ベロリッチ伯爵(糸目でやや太めの、ただのおっさんにしか見えない)を座らせ、30分経過。
「…はい!そこまで!調理終了ーーーっ!!」
ピーッ☆と笛を鳴らす、蒼大くん(司会を任せたのだ)。
「ええっ!もう!?」
………ヤバい。味見できなかった!しかも、玉子が少し焦げてしまった。
あたしの料理は、時々失敗する。…不安だ。
自分の事でいっぱいいっぱいで、周りを見る余裕がなかった。
架那と夕羅の出来上がりはどうだろ?…チラリと横を見る。
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