第2章

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ここしばらく立て続けに起きている異常事態に頭がパンク寸前になっている。 熊切も険しい顔でテレビを見つめたまま、身動きひとつしない。 三谷さんは、今にも泣き出しそうな顔で、近くにいた同僚の女子社員と、何やら言葉を交わしている。 他の社員たちも、呆然とテレビ画面を見つめている者や、オロオロと落ち着かない者、あちこちに携帯で連絡をとったりと、それぞれが、パニック寸前の様相を呈している。 小津はというと、とりあえず“腹が減っては戦が出来ぬ!”とばかりにカツカレーとナポリタンを器用にも、同時にかっこんでいる。 そしておごそかな表情で、食後のコーヒーまでしっかりと飲み干したあと、静かに俺にこう語りかけた。 「それ、食べないならもらっていいすか?」 そう言いながら、俺の返事を聞く前に、手は定食のプレートを自分の目の前に引き寄せている。 そして、小津が俺の日替わり定食をきれいにたいらげ終えた時だった。 館内に放送が流れた。 「全館に緊急連絡を致します。伝達事項がありますので、各事業部は各課ごとに責任者、若しくは責任者代理が、会議室に集合して下さい。繰り返し連絡します…」 とりあえず、自分のデスクに戻ろう。 俺は、熊切たちにひとまず別れを告げ、名残り惜しそうに、空になったプレートを見つめる小津の腕を、無理矢理引っ張り、自分の事業部のフロアに戻る事にした。
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