さみしくなんかないやい

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「なあ、この女どうする?」 「あー……どうせヒマだし、ちょっと遊んでや……――――」 「お嬢!! 大丈夫ですか!?」  いやらしー感じの笑い方をした男共の言葉を遮って、叫んだ言葉は死ぬ前に一回は言ってみたかった言葉。  チャラ男クン達は、俺の言葉に一瞬びくりと肩を揺らした。女の子は何が起こってるのかわかんねえって顔。 「は? なんだお前?」  女の子に駆け寄った俺に男の一人が怪訝な顔して、俺の肩を掴んできた。ちょっと!気安く触らないでちょうだい! 「お嬢! お怪我はありませんか?」 「え……あ、」 「テメエ、シカトしてんじゃねえよ!」  男の言葉をサラッと右から左に流して、女の子に安否を尋ねる俺に男はイラついたように怒鳴ってきた。そんで掴んだ俺の肩を引こうとしたとき…… 「おい、ガキ共。てめえらうちの娘に何やってんだ」  ちょう顔のこえーオッサン登場!  オッサンの声に男共は顔を強ばらせた後、恐る恐る振り返る。そこにいたのは、テメエはどこの帝王だっつーくらい威厳のある顔のこえーオッサン。 「そいつがうちの娘だってわかってやってんのか? てめえらどこの組のもんだ」 「え……あ、いや……その」  オッサンの言葉にちょううろたえる男共。さっきの威勢はどこにいっちゃったの?  オッサンが女の子を倒した男の胸倉を掴むと、他の2人はびびってあっという間に走って逃げていった。だせー! 「す、すみませんでした!!」  胸倉掴まれた男もすんげえ情けねえ顔で、声を裏返しながら謝ると、慌てて走り去っていった。その後ろ姿がなんともまあ、情けないのなんのって。  その場に残ったのは正義の味方由貴レンジャーと顔こえーオッサンジャーと、きょとんとした顔の女の子。  電線にとまったカラスがカアー!って鳴いた。
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