押したスイッチ切らないで!

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「……あたし、ゲームセンター楽しかったの」 「へ?」  なぜに、今ゲーセンの話?え、ゲーセン行きてえの?千秋の言いたいことが全くわかんなくて、対処に困ってると、千秋はそんな俺なんてお構い無しに言葉を続ける。 「カラオケも、野球も、楽しかったの」 「…………」 「岡本が連れてってくれた場所は、全部楽しかったの」 「…………」 「それは、あたしだけじゃ、ない?」 「…………」 「岡本も、たのしかった?」 「……千秋」  千秋はポツリ、ポツリといつもよりどこか幼い口調でそう続けた。どうして、千秋がそんなこと確認してんのかわかんなかったけど、すごく不安そうにしてんのはわかった。  なんかもう、3日連絡取れなかったこととかどうでもよくなった。 「…………」 「楽しかったよ」 「…………」 「ゲーセンとか野球とか、俺も全部すげえ楽しかった」 「……うそ、じゃない?」 「なんでウソつく必要あるんだよ。ウソじゃねえって、マジで楽しかったから」 「……面倒、じゃない?」 「ないないない! それはないって。なんで楽しいのに面倒とか思うんだよ」 「…………」  それからまた黙ってしまった千秋を少し屈んだまま、見つめる。俺が一緒に楽しんでねえって、嫌々遊びに付き合ってるとか思ってたんかな。そんなこと疑う必要ねえのに。やっぱ、見えてねえと、そういう風に不安になったりすんのかな。
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