押したスイッチ切らないで!

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「えっと……千秋?」 「……なに」 「マジでさ、俺、すげえ楽しいから。それは疑わないで、つうか、それ疑われると悲しいし」 「…………」 「千秋が楽しいなら、俺も楽しい。俺、単純だからさ。楽しいときはバカみてえに笑うし、反対にヤなときは声とか態度にすぐ出んの」 「……そうなの?」 「そうなの! 俺ほどわかりやすい人間はいねえと思うけどね」 「……信じていいの?」  暗い感じで言ったら重たいかなと思って、出来るだけ明るい声を出すと、千秋は恐る恐るって感じで尋ねてきた。 「おー。信じちゃって信じちゃって。てか、今度楽しくねえとか疑ったら500円罰金な」 「……ふざけないでよ」 「ふざけてねえって、マジですよ。マジで500円払わせるよ、俺は。有言実行な男、岡本由貴ですから」 「やだ、払わない」 「やだって! つうか、払う払わないより、疑わなきゃいい話だろ!」 「うそくさいもん、岡本」 「えええーー!! 今の結構真剣な話聞いといてそれかよ!」  いつの間にか泣くのをやめてた千秋は俺のふざけた言葉に、少し笑いながら返事をしてきた。目元を赤く染めたまま、笑ってる千秋を見て、ああ、伝わってよかったなって思うのと、なんか苦しいのが混ざった。  自分と一緒に居て楽しいって思って欲しいとか。俺と居て楽しいって思うこととか。  そりゃ、すげえ嬉しいよ。  けどさ。それって……初めて出来たトモダチに対するもの?それとも、トモダチ以上に対するもの?  聞きたいけど、聞けない質問。聞いて、こっちのスイッチをオフにされるのは困る。  なあ、千秋。  俺のこと、どう思ってんの?
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