トモダチに許されないこと

2/6
前へ
/351ページ
次へ
 火曜の放課後、千秋とやっと話すことが出来たわけだけど。  千秋が俺をどう思ってんのかますます気になる今日この頃。気になるよねえ。うん、気になるよねえ。  まあ、とりあえず。泣き顔って結構、こう、クるもんがあるよね。  俺、バッカー。  水曜日。  朝。 「グッモーニーン! エブリワン!!」  スキップで教室に向って、開けっ放しのドアから顔を覗かせる。竜ちんはお寝坊さんのようで登校中に会うことはございませんでした。ですから、由貴チャン元気に1人で登校です。1人だって、さみしくないさ!だって、今日は放課後千秋と遊ぶから!  月曜のへこみはどうしたよお前!っつーぐらいにテンション高く挨拶したら、丁度近くにいたタケとアッチャンがすんげえ呆れたような声で反応を返してきた。タケってば相変わらず文明開化的な髪型ね。 「でけえよ、声が」 「つうか、英語がうぜえ」 「こらこらこら! キミ達ー! 朝の一発目は元気な挨拶でしょーが!」  まったくー、近頃の若者は挨拶もできん!なっとらん!  挨拶を返さねえくせにケチをつけてくるタケとアッチャンに「バーカ!」と言い放って、クラスのヤツらと挨拶を交わしつつ自分の席に向う。途中、化学の班で仲良くなったノリチャンに絡んだ。 「ノリチャーン! おはよー!」 「わ、お、おはよう、岡本君」  ワシャワシャーっと右手でノリチャンの髪をかき混ぜたら、鷲尾なのにひよこみたいな、ほわほわした髪型になったノリチャンが目をまんまるくさせて振り返った。かんわいー。アレだね、俺、ノリチャンがオンナノコだったらぜってえ彼女にしたい。前までの話だけど。
/351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4725人が本棚に入れています
本棚に追加