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「なんなの、昨日と大違いじゃない」
片岡チャンは脚を組んで、頬杖を付きながら気だるそうな感じで、そう話しかけてきた。いや、前にも思ったけど、片岡チャンってそういうポーズやけに似合うよね。
俺もマネして脚を組もうとして、机に膝を思いっきりぶつけた。いてえ!慣れねえことするもんじゃねえな、人間。いてて、と膝を擦ってふざけて笑いながら返事を返す。昨日とテンションが違うって?そりゃ当たり前じゃないですか。悩みが一つ解決されちゃったんですから!
「ふふふー、実はですねえー」
「なに、キモイ」
「キモくない!」
すんげえウザそうな顔されてしまいました。もー、俺、片岡チャンと初めて話してから何度その言葉を言われたのかわかんねえよ。地味にジンジンと痛いぶつけた膝を擦りながら、体を片岡チャンの方向に向けて、口を開いた。
「いやさー、連絡とれなかった森女の子にね、昨日の帰りに会って、仲直りっつーの? まあ、そんな感じをしたわけですよ。っつっても別にケンカしてたわけじゃねえけど」
「…………」
「それで、またちゃんと連絡とれるよーになったの! もう、マージよかったアア! って感じですよ」
両手をだらしなく広げた脚の間について、イヒヒっと笑いながら言うと、片岡チャンは俺の方に向けてた視線を前に向けて「ふうん」っと興味無さそうな感じで反応を返した。まあ、そんなもんですよね。どうでもいいっすよね。ボクのことなんて。
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