4.殺戮

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俺が中3になった春の夢。 小学校の頃の友人に会った夢を見た。みんな全然変わってなくて、それだけなのになぜか安心した。 いつだっただろうか。 たった一度だけ、皆で同じ空を見上げた事があった。 あの時は、皆がライバルで、皆が仲間で。 おもいっきり笑ったし、 おもいっきり泣いたし。 全てが大切だった。 夢のなかで 誰かが切り出した、 「今日で仲間やめるわ‥。」 それに賛同する声。    アタマガイタイ 『なんで』が出ない。 『やめないで』が出ない。 その代わりに始まった。 戯れと言う名の殺し合い。 皆、スゴく楽しそう。 この世でたった、 14人しかいないクラスメート。 俺は、 言葉が出ない傍観者。 止めたいのに止められない。 金縛りにでもあっているようで怖かった。 俺から溢れ出るのは 憎悪と涙だけ。 .
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