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俺には、父方のじいちゃんしか居なかった。
母方のじいちゃんとばあちゃんは離婚してて。だから俺は、父方のじいちゃんしか知らなかった。
この夢は、小学生のときの夏に見た。
冬のこと、俺がじいちゃん家に遊びに行くと、ばあちゃんが泣いていて、「どうしたん?」って聞いたら、
「じいちゃん、亡くなったんよ。」って。
その瞬間死んでるはずのじいちゃんがいつものベッドで寝てて、こっち向いて何かを俺に伝えようとしていた。
俺は思わずじいちゃんに駆け寄り、「何?」って聞いた。
動かないはずの手をゆっくり動かして、ばあちゃんの方を指差した。
「ばあちゃんッ?ばあちゃんに言うンやな。」
俺が発した言葉に、嬉しそうに微笑んだ。
ガラガラになって話しヅライのに、「ありがとう」って。
何回も何回も伝えようとしていた。
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