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(恋斗)『ふぁぁ、さて帰るかなつぅか無駄に疲れた・・・』
大きなアクビをした俺は
眠気に襲われながらも
自宅へと向かう途中の
交差点で信号待ちをしていた。
(恋斗)『そういや、大河が家に来るんだよな。急いだほうがいいなぁ早く信号変わんないかな』
学校の帰り道・・・
いつもと変わらぬ帰り道・・・
だけど、、だけど・・・
まるで景色が歪んだように
いつもの交差点に
俺は立ち尽くしたままだ
!?おかしい、体が動かせない!
(恋斗)『なんだ??体が動か・・ない!?ど、どうして?』
指一本すら動かせない状況
まるで自分だけスローモーション
の世界にいるようだ
時が遅い、早く抜け出したい
だが視界の先に見すえる
大型の物体が徐々に
眼前に迫ってきた
それは、大型のトラックだった
そのトラックが真っ直ぐ
突っ込んで来る!
(恋斗)『や、やばい!!ックソ!し、死んじまう!!』
体は動かせなくても
震えるのは分かる
もう死ぬんだ俺・・・
その時、頭の中に様々な思い出が焼き付けるように
映し出された・・・。
そう、この場所。この交差点。
幼かった俺はお母さんと一緒に
買い物に行ってたんだ
その帰りだった、お母さんは
トラックにひかれて
死んでしまった。
俺をかばったから・・・
昔は見通しの悪い
交差点だった、あの時の事故は、仕方なかったんだ。
母さんは救急車が来る前に息を引き取った。俺に一言だけ告げて。
『恋斗・・・お母さんの・・・分まで・・生きて・・ね・・・』
く、くそ!まだ
死にたくなんかないのに
(恋斗)『お、母さん・・』
あぁダメだ視界が真っ暗に
く、くそ――
もう何も見えない――
何も聞こえない――――
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