6917人が本棚に入れています
本棚に追加
/609ページ
企画書にはデカデカと
DEATH!〇〇中
の文字が。
「デスまるまるちゅう?」
「はい」
「下らん!」
「ならば中身を見てから言って下さい」
会長は企画書を眺める。
「……こんな事が日本で許されると思っているのか!?」
「大丈夫です。勝てばいいんですから」
「だがしかし…」
「このまま子供達に退屈を強いらせるつもりですか?子供達に輝く未来を与えたいとは思いませんか?」
「…………分かった。やろう」
「会長!!」
「その代わり、やるからには我々との関係はこれきりにしてほしい。結果を報告する時にまた会うという形で」
「いいでしょう。トラブルが起きても私が責任を負います。あとは、会長の決断しだい」
ドクターはパンドラの箱を差し出す。
開かれた箱には大きな赤いボタンがひとつのみ。あとは何も無い。
不気味極まりない箱。
ボタンだけで充分な気がする。
このボタンを押せば選ばれた者に何がふりかかるかはちゃんと全て知った。
だからこそ、このボタンは押すに押せない。
しかし、責任はドクターが背負うと言っていた。
報酬はタダ。
実験の結果が最高の報酬だとドクターは言った。
長い沈黙の末、
ポチッ
押した。
最初のコメントを投稿しよう!