嗜好・思考・至高

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     (4)     「つまんな~い」    大学の正門の辺りまで来た時、桔梗明日香が言った。    辺りは夕暮れの様相を堤しているものの、まだ大学構内にはたくさんの学生がいるようだった。     「仕方ないじゃない?柊教授は嫌いなのよ。そーゆー話」香坂楓は長い髪をかき上げて答えた。   「嫌い?まさか!」國枝知草が大仰に言う。「コジローセンセは間違いなく“好きだよ”このテはね」   「そうだよ!」明日香も賛同する。「流石に、殺人だとは言わないまでも、もう少し興味持つと思う」    明日香が首を捻る。  他の二人は顔を見合わせて、首を振った。     (なんで、、、先生は苛々してるんだろ?)   「あの~、すみません」    明日香が思案にふけようとした時、不意に男の声。    顔を上げると見知らぬ青年が三人を見ていた。
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