317人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや~結構飛ばしましたなぁ」長岡刑事がウインドウを開けながら言った。
「“免停”かい?」蓮實が言う。
「いやいや」長岡は笑顔のまま首を振る。「“免取”ですよ」
長岡の言葉に蓮實は肩をすぼめて、奥に座る柊を見た。柊は眉を上げて顎に手を当てると、その手で長岡を指差す。
「交通課じゃなくて刑事課で良かった」
柊は下手くそだと自覚していたが、冗談のつもりで言った。咄嗟に出てきたのはこれくらいしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!