曖昧なショーで逢いましょう

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    「先生!今日はなんの集まりですか?」    最後尾を歩く柊に、桔梗明日香が歩調を合わせて耳打ちしてきた。  柊は驚いたという表情を明日香に向ける。     「本気で言ってる?」柊が聞く。   「もっちの論ですよ」明日香が答えた。   「明日香くん。君、本当は僕より上の世代じゃない?」柊が溜息をついて言った。   「こんな若いコになんてこと!失礼ですよ!」明日香が声を荒らげる。   「失礼はお前だ」直ぐ前の蓮實が明日香に言った。「病院で騒ぐな。ガキかお前は」    言われた明日香はふて腐れたように顔を背けると、何も言わなくなった。柊も少しだけバツが悪い気分になる。     「ここです」    しばらく歩いて長岡刑事が言った。
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