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「私に聞きたい、、、こと?」
柊の真剣な表情に、久家灯馬はただならぬものを感じ取る。
柊が自分に聞きたいこと、それは十中八九“あの夜”のことだ。と灯馬は直感した。
「あの夜。誰が--たの?」
柊の言葉は灯馬の考えを軽く超える質問だった。
灯馬の耳がその言葉を聞いていても、精神がその言葉にフィルターをかけて頭に届かない様にしている様だった。
全く柊の言葉が頭に留まらない。
少しの間を持って、柊は再び同じ言葉を久家灯馬に投げかける。
「あの夜。誰が殺したの?」
久家灯馬はあの夜を思い返す。
焼けた頬がビリビリと疼いた。
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