4.遊びの向かう先

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 どんなに仲が良くなっても、和美と私との間には何かが横たわっているような気がする。  私はストーカーされているけど、なんだかさほど酷くないような気もするのだ。そりゃ、ノイローゼになるくらい私にはキツイものだけど、もとはといえば自分が蒔いた種。  和美は渉の一方的な理由で暴力を振るわれていると言っていた。そんな中、気持ちに余裕があるとも思えない。  昨晩のメールはそれが原因なのだと思う……。いや、思っていないと今まで通り付き合っていけない、和美が怖いと思った。  あのメールで、確実に私の中に何かが芽生えていたのかもしれない。  それは恐怖というか、畏怖というか……。彼女の中にもあるかもしれないと思ったのだ、渉のような一時的な衝動。他人に暴力を振るったり罵倒したり。  衝動は誰にでもあるもので、それが何かのきっかけで表に出てくるけど、今回その引き金を引いてしまったのは私。彼女のそれを知ったのだから昨晩のような安易なことはできない。  私はそれから、和美からメールがくる度に推理小説を読みあさり返事を返した。そうでもしないとどんどんそれのためのネタが切れてしまうのだもの。  最近私は、短時間で遊びメールを送ってくる和美の方が恐ろしくて、なかなか頭が回らない。  もうやめたい……。  いつしか私の中にそんな言葉もちらつき始めた――――。
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