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マナーモードに設定してある私の携帯は、メール着信を告げるバイブに揺れた。サッと二つ折りの携帯を開き、液晶画面に表示された新着メールを開く。
【どうしたの！？ ストーカーになんかされたの！？】
メールにはそう書かれていた。そんな和美のメールに安心し、同時に申し訳なくなった私は和美にことの次第を説明するメールを送った。
【ごめんね和美。ちょっとした音が孝史に聞こえてるんじゃないかって不安で、怖かっただけなの】
それを送信して私はため息をついた。こんな小さなことでも堪えられなくなるなんて……。
「――やだな」
独り言を言ってからまたあの恐怖心にかられる。聞こえていたら……？
（やだっ――！ 和美……早く返事をちょうだいっ）
心の中で叫びながら、私は待っても待っても来ない和美からのメールを待っていた。
「――――――んー……？」
私は重たい頭を持ち上げる。辺りはしんと静まり返っている上に真っ暗だった。どうやら私は携帯を持ったまま眠っていたらしい。
携帯を見つめてメールが来ていないことに驚いた。
（なにかあったのかしら……？）
嫌な予感がしていた。
和美になにかあったんじゃないか？……と。
と、その時。
――バタンッ
玄関の方から扉の閉まる音が聞こえた。
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