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それを実行に移したら立派な交換殺人になる。でも私たちは実行していないからそうはならない。ならないんだけど――――。
【深夜にね、小織の家の近くに隠れてる孝史を道路の真ん中あたりに呼ぶの。そこにアタシが車で突っ込めば轢き逃げになるじゃない?
警察はいろいろ調べるから小織をストーカーしてたって分かって、小織のこと疑うかもしれない。
でも小織がその時家にいなくて、なおかつアリバイがあれば疑いも晴れるよね。
確か小織、土曜日は孝史にバレないように裏口から外に出て、旦那さんと外食してるって言ってたわよね? しかも電気やテレビは点けっぱなしで。だから孝史に気付かれないのよね。
つまり、小織が外食してる時に殺しちゃえばバレないのよ! アタシと小織は住んでる県も違うし、メールだって消しちゃえば気付かれないわ!
ね? いい考えじゃない?
てことで、次は小織が渉を殺す方法考えてね】
妙に長い。
正直、今日送られて来たメールの中で一番正確に細かく書かれている。私はなんだか不安になった。でもいつも返事を書かないと怒るのよね、最近。
(眠いし、明日の朝にでも返そうかな……)
疲れもあって、私は返事を書かずに眠ることにした。いつもなら寝てる時間だし、和美も理解してくれるだろう。
私は携帯の電源を切ると、良太が寝ている横に潜り込み眠りについた。
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