4.遊びの向かう先

3/6
1660人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
 それを実行に移したら立派な交換殺人になる。でも私たちは実行していないからそうはならない。ならないんだけど――――。 【深夜にね、小織の家の近くに隠れてる孝史を道路の真ん中あたりに呼ぶの。そこにアタシが車で突っ込めば轢き逃げになるじゃない?  警察はいろいろ調べるから小織をストーカーしてたって分かって、小織のこと疑うかもしれない。  でも小織がその時家にいなくて、なおかつアリバイがあれば疑いも晴れるよね。  確か小織、土曜日は孝史にバレないように裏口から外に出て、旦那さんと外食してるって言ってたわよね? しかも電気やテレビは点けっぱなしで。だから孝史に気付かれないのよね。  つまり、小織が外食してる時に殺しちゃえばバレないのよ! アタシと小織は住んでる県も違うし、メールだって消しちゃえば気付かれないわ!  ね? いい考えじゃない?  てことで、次は小織が渉を殺す方法考えてね】  妙に長い。  正直、今日送られて来たメールの中で一番正確に細かく書かれている。私はなんだか不安になった。でもいつも返事を書かないと怒るのよね、最近。 (眠いし、明日の朝にでも返そうかな……)  疲れもあって、私は返事を書かずに眠ることにした。いつもなら寝てる時間だし、和美も理解してくれるだろう。  私は携帯の電源を切ると、良太が寝ている横に潜り込み眠りについた。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!