1660人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
リビングのソファーに放ったままにしてある私の携帯。さっきメールがきてた。
「和美かしら……」
私は携帯を開いてメールを確認する。やっぱり和美だ。
あれからやめたいとも言い出せず、未だにこの遊びは続いている。でも私ってつくづく馬鹿だなって思う。
浮気相手をストーカーにし、私自身がメル友に提案したものでそのメル友を別人にしてしまった。そして最後には私に戻ってきているじゃない。何度繰り返せばいいのか――。
そんな風に一人悶々と考えながらメールの中身を確認するとそこにはおかしな文章が。
あの日、和美の態度が豹変するきっかけになったあのメール。私のアリバイに至るまで詳細が書かれた遊びメールだ。
「えっ、どういうこと――?」
何故同じものを送り付けてくるのだろう? そう思ったけどとにかく返事を書く。じゃないとまたメール攻めが始まってしまう。
推理小説を片手にメールを打っていると再びメールが届いた。
(また和美からだわ……)
メールを開くとそこにはこう書かれていた。
【アタシこれ気に入っちゃったー! ね、絶対いいと思うでしょ小織♪】
遊びメールにそのメールの返事も一緒に書いて送った。ただ、私もいいと思うって書いただけだけど。
最初のコメントを投稿しよう!